「作曲してみたい」「オリジナル曲を作りたい」「DTMを始めようかな」そう思っているあなたへ向けて、DTMの始め方を順番に紹介します。また最低必要な予算、おすすめの機材やDAWソフト、音楽配信までをお伝えいたします。
実際にDTM歴4年の私が、使っている機材などを元にご紹介しますので、ゆっくり検討してみてください。
・DTMを始めるのに必要な機材、ソフトの知識がつく
・自分の予算に合ったDTMの始め方を知れる
DTMの始め方や予算を解説【歌ってみた、演奏してみた必見】

DTMを始める目的は「オリジナル曲を作りたい」と湧き上がる気持ちだと思います。現在、世界の音楽のほとんどがDTMによって作られ、編集されています。例えばギターやピアノなどで弾き語りするミュージシャンが配信(ストリーミング、CD)は、必ずDTM環境でミックス、マスタリングといった作業を経て、みなさんの耳に入っています。
私がDTMを始めたのも「既存の音楽にとらわれず、自分で作ってみたい!」と思ったのがきっかけでした。一種の自己表現なのかもしれません。そう思えたあなたは、とても素晴らしい感性を持っています。(自画自賛ではありませんが)まず作ろうと思う人はほとんどいないからです。
それでは早速、DTMを始めるのに必要なものをご紹介します。
DTMに必要な機材、ソフト
DTMを始めるには以下の機材、ソフト、環境が必要です。今ではスマホでも作曲ができますが、あくまで通常のDTMを始める人向け、ということでお話をしていきますね。
<ハードウェア(機材)>
パソコン、スピーカー、ヘッドフォン、オーディオインターフェース、MIDIキーボード
<ソフトウェア>
DAWソフト、音源
<その他環境> ※本記事では解説しません。
音楽配信環境
大まかに分類すると以上のようになります。音楽配信環境については別記事で解説予定
結論、これは上記の道具は必要ですが、価格がピンキリなので、初めての方は「まずどれを選んだらいいのか?」が分かりにくいと思います。そこで道具ごとの優先順位、必須かどうか、予算別に詳しくご紹介しますね。
DTMの始め方【機材&ソフトウェア】
DTMで必須となる機材は以下の通りです。
項目 | 必要性 |
パソコン | ◎ |
スピーカー | ◎ |
ヘッドフォン | 〇 |
オーディオインターフェース | ◎ |
MIDIキーボード | ◎ |
マイク | ○ |
DAWソフト | ◎ |
無料音源 | ◎ |
有料音源 | △ |
◎=絶対に必要 〇場合により必須
赤色=ハードウェア 青色=ソフトウェア
むちゃくちゃある・・・そう思われた方も多いのではないでしょうか?意外と多いんです。初期投資は必要です。しかし初期投資さえ出せば、後はほとんどお金がかからないのがDTMのいいところ。
例えば趣味がゲームの方はゲームが出るたびに購入しなければなりません。その点、DTMははじめに揃えれば大体なんとかなるので、リーズナブルな趣味といえます。音源を買わなければ、という話ですがそれは後々考えましょう。
DTMはソフトに依存する場合もあるので、本サイトであればここから順番に見ていけば選択できるような構成になっていますので、ご安心ください。
DTMの根源、おすすめのDAWソフト
一番最初に決めるのが「DAW」というソフトウェアです。Digital Audio Workstationの略ですが主な製品としては「Cubase」「Logic Pro」「Protools」「Studio One」などがあります。
なぜ初めにDAWソフトから選ぶかというと、DAWソフトはパソコンによって動作する、しないがあるためです。例えば「LogicPro」はMacbookでしか使えません。詳しくは以下の表をご覧ください。
DAWソフト名 | Windows | Mac | 価格 |
Cubase | 〇 | 〇 | 13,000~56,000 |
Studio One | 〇 | 〇 | 14,000~44,000 |
Logic Pro | × | 〇 | 24,000 |
Abelton Live | 〇 | 〇 | 12,000~92,000 |
Pro tools | 〇 | 〇 | 77,000 |
FL Studio | 〇 | × | 13,000~30,000 |
Digital Pefomer | 〇 | 〇 | 60,000 |
GarageBand | × | 〇 | 無料 |
Reaper | 〇 | 〇 | 無料 |
Cakewalk by BandLab | 〇 | × | 無料 |
Tracktion 6 | 〇 | 〇 | 無料 |
Pro Tools|First | 〇 | 〇 | 無料 |
Music Studio Producer | 〇 | × | 無料 |
LMMS | 〇 | 〇 | 無料 |
赤文字=有料 青文字が無料
※値段はアカデミック版を除く、100の位切り上げ
DAWソフトはホントたくさんあります。表をみるとWindowsかMac両方使えるものや、片方しか使えないものもあります。パソコンのことを考えるとMacbookは普通に値段がかなり高いので、パソコン費用のことを考えるとWindowsパソコンを選択したくなりのが普通です。
ですが皆さんもつかっていてわかるようにWindowsパソコンの寿命は割とすぐに来ます。5年~10年と言われています。それに比べ、私はMacbookProをもっていますが10年ぐらい使っています。スペックにもよりますし、パソコン操作性や感覚的に操作できるのはMacです。
※DAWソフトの比較記事は纏めているところですので暫くお待ちください。
おすすめDAWは汎用性の高いCubase、Macが好きならLogicPro
勿論どれを選んでも構いませんが、CubaseはWindows、Macのどちらでも使えますし、日本の作曲家ではCubaseを使う方が比較的多いです。ユーザーが多い=ノウハウがある、ということでネット上に不明点がごろごろ転がっています。
普通にプロの方も使われますし、使い勝手やもともとインストールされてる音源も優秀です。私ははじめLogicProを使っていましたが、無料音源の良さはLogicProに軍配があがります。
Macが好き!という方はLogicProもいいでしょう。プロの作曲家の方も使われるのに一番は安い!とにかくDAWソフトの中では断トツに安いですし、Macユーザは確実に多いのでノウハウも豊富です。
[itemlink post_id=”306″]DTMパソコンに必要なスペック

Windows PC | 3万~20万 |
MacbookPro またはiMac | 13万~50万 |
Windowsならメモリ16GB以上、Macなら8GB以上がおすすめ
次にDAWソフトにあうパソコンをしましょう。既にお持ちの方はそのパソコンを使いましょう。ただDTMパソコンに必要なスペックはメモリ16GB以上が推奨です。もちろん8GBでも問題ありません。
DAWソフトを動かすにはそれなりのメモリがないと止まったり、動作が不安定になったりします。私も4GBのMacbookProを使っていましたが、LogicProを動かすとたまにフリーズしたりします。現在はメモリ32GBのWindowsパソコンでCubaseを動かしており、サクサク動きます。
値段はピンキリですが、MacbookProかWindowsパソコンをカスタマイズ注文するのがおすすめです。
自作PCの作り方についての記事は以下にまとめています。※PCの選び方について記事は現在まとめ中です。
オーディオインターフェース。これがないとDTMにならない
次に「オーディオインターフェース」を選びます。DTMはMIDI信号という信号で音を作るのですが、MIDIキーボードからDAWソフトに認識させるために、オーディオインターフェースで変換します。なので、オーディオインターフェースは、MIDIキーボード(入力)とDAWソフトをつなぐ橋です。
私は『Steinberg USB AUDIO INTERFACE CI1』を使っています。これは一度も変えたことがありません。

変換できればどの機種でも良いですね。もちろん良い機材の方が音色が良いのは間違いありません。 『Keystation49 III』あたりが安価かつ問題なく使用できます。
[itemlink post_id=”305″]MIDIキーボード(入力ができればOK!)
続いてMIDIキーボードを選んでいきましょう。MIDIキーボードは作曲に必要な機材の一つ。キーボードを使って入力していきます。「ピアノなんか触ったことない」という人、安心してください。使えるようになります。
MIDIキーボードはピンキリで音源内蔵のシンセサイザーともなると20万近くしますが、MIDI信号を送るだけなら1万円以下になります。結局音源が高いのですが、MIDI信号が送れればまずはOKです。
鍵盤は49鍵の物が机に置きやすくておすすめです。97だとデカすぎるんですよね。その半分は小さすぎて使いがっては落ちてしまいます。
[itemlink post_id=”304″]モニタースピーカーを選ぼう
DTMには作成した音を聞くスピーカーが必要です。スピーカーには「モニタースピーカー」を選びましょう。「え?モニタースピーカーと普通のスピーカーは何が違うの?」ということは一言でいえば、「原音を再現する力」です。
市販の普通のオーディオスピーカーは心地よく聴くためにカスタマイズされています。それではDTMで音を作ってミックス⇒mp3などにした場合に、作った音となんか違う?となることがあります。
そのためDTMではモニタースピーカーを選びましょう。私が使っているのは『ヤマハ(YAMAHA) モニタースピーカー MSP5』(価格:1つ27,000円程度)です。スピーカーなのでLRで2つで54,000円ほど。定番中の定番と呼ばれるスピーカーです。

ヘッドフォンはスモールスタートで
ヘッドフォンはピンキリです。1万円以下のものから5,6万するようなものまであります。Official髭男dismのヴォーカリスト藤原さんはDENONを愛用されているそうですが、5,6万円はします。
いきなりそんなお金はないのが普通なので、DTMの初期投資を考えるとヘッドフォンのこの価格はかなり高めだと思いますので最初は1万円程度のもので十分。むしろモニタースピーカーを良くした方がいいです。
私のは『audio-technica アートモニターヘッドホン ATH-A500』安すぎますね。『SONY 密閉型スタジオモニターヘッドホン MDR-CD900ST』この辺りが定番と呼ばれる商品です。密閉型の方が音漏れがせず、しっかり音をチェックできるんですね。
[itemlink post_id=”303″]
マイクを買って歌ものや生ギター音源を録音しよう
歌ものを作りたい方、またはギターなどの楽器を自分で演奏したい方はマイクを買いましょう。これも優先順位は低くていいです。ただしマイクは良い奴ほどキレイに録音できます。

私は『audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT4040 コンデンサーマイク』を使っています。DTM初心者ならまずは定番の一品と呼ばれる名品です。声もキレイに録音することができますし、最近では友人とのオンライン通話等にもこちらを使っています。

さらにマイクを購入したならポップガード(マイクの唾等防止)も合わせて購入しましょう。コンデンサーマイクというのは非常に繊細な素材が使われており、皆さんのつばや息で劣化することがあります。そのためポップガードは必須です。私が使ってるのは金属製で洗いやすい『sE Electronics クランプ式』です。
[itemlink post_id=”301″] [itemlink post_id=”302″]無料音源を使おう、物足りなくなってきたら有料音源も視野に
さて肝心の音源ですが、はじめは無料音源で十分だと思います。「いや、はじめからプロ並みの音源が欲しい」という方は良いですが、はじめはDAWの使い方や作曲技法を学んでから音を追求した方が効率的です。
購入したDAWソフトには必ず無料音源がついています。ドラム、ベース、ギター、バイオリンなど多数サンプルが入っています。私ははじめGaragebandを使いまくっていました。
またプロの作曲家さんに指導していただくたびに「最初は無料で十分、本格的にやるなら有料音源を買えばいい」と言われてきました。作曲の基礎を学んでから音源を買う方が良いですが、もちろん!色んな音源を試したい!という方は有料音源を買うのもいいでしょう。
DTMの始め方【予算別】
さて、ここまでDTMに必要な機材やソフトウェアを紹介してきましたが、「実際のところどれぐらいかかるの?」と思うので、予算別にパターンを2つ作りました。ぶっちゃけ最初はこの辺りにして、使い倒したらグレードアップする感覚で良いと思います。パターン①は私が大学生にDTM始め立ての頃を参考に作ったサンプルです。
DTM予算パターン①大学生でも買える歌無し版【17万円以下】
DAWソフト | Garageband 無料 |
パソコン | MacbookPro 130,000円 |
MIDIキーボード | Keystation49 III 9000円弱 |
オーディオインターフェース | Steinberg UR12 11,000円 |
スピーカー | MACKIE CR3 12,000円 |
ヘッドホン | OneOdio pro-30 4,400円 |
マイク | – |
マイクガード | – |
合計 | 166,400円 |
大学生向けでも17万もするの?と気を落としたかもしれませんが、最低限普通にDTMを始めようと思ったらこれくらいの費用はかかると思っていてください。だけど毎月分割払い対応にすれば買えると思います。もし余裕があるならスピーカーを良くする、などバランスを変えてみてください。
DTM予算パターン②社会人向け定番セット【25万円以下】
DAWソフト | LogicPro 24,000円 |
パソコン | MacbookPro 130,000円 |
MIDIキーボード | Keystation49 III 9000円弱 |
オーディオインターフェース | Steinberg UR22mkII 16,700円 |
スピーカー | YAMAHA ( ヤマハ ) / HS5 14,000円*2本 |
ヘッドホン | OneOdio pro-30 4,400円 |
マイク | コンデンサーマイク AT4040 32000円 |
マイクガード | 5000円程度 |
合計 | 249,100円 |
それでも20万円近くするんですか?という感じですが、20万円以下にする方法もありますが、それなりにDTMがしっかり楽しめるセットだと思います。現在の私が大体この辺りですね。ストレスなく作業ができると思います。
DTM予算パターン③お金に余裕があり本格的に始めたい方【40万円以下】
DAWソフト | Cubase Artists 35000円 |
パソコン(メモリ重視) | Windows自作 130,000円 |
MIDIキーボード | Keystation49 III 9000円弱 |
オーディオインターフェース | Steinberg UR22mkII 16,700円 |
スピーカー | YAMAHA ヤマハ / MSP3 27,000円*2本 |
ヘッドホン | DENON AH-D5200 50,000円 |
マイク | コンデンサーマイク AT4050 76,000円 |
マイクガード | 5000円程度 |
合計 | 375,700円 |
本格的に始めたいならこの程度でしょうか。マイクをかなり良い商品にしたので、初心者向きではないかもしれませんが、どれもクリアで良い音が聴こえる製品です。定番を越して、「はじめから良い音で聴いて一刻も早くプロに近づきたい」という方はこちらです。
DAWソフトをCubaseArtistsにしているのは、初めはそこまで不要だからです。スキルが上がり「もう少し機能が欲しいな」と思えばグレードアップすれのがおすすめ。Artistsでもオーケストラサウンドは作れます。
今回はCubaseを例に挙げましたが、他のDAWソフトでも同様です。また学生の方はアカデミック版が発売されているので、格安で買える場合があるのでチェックしてみてください。
※合計金額は参考です。
DTMの始め方や予算:まとめ
いかがでしたでしょうか?DTMの始め方はわかりましたか?最初は機材のイメージがわからないと思いますが、実際に買って手を動かしてみると慣れてきます。
・DAWソフト、パソコン、スピーカー、ヘッドフォン、オーディオインターフェース、MIDIキーボードは最低限用意して、DTM環境をつくってみよう
・ソフトや機材のグレードはスモールスタート。使い倒して物足りなくなったらグレードアップしよう。
・予算は15万以上、35万円以下ぐらい。自分の身の丈にあったセットからスタートすること
今回は以上です!DTMでオリジナル曲を作り、楽しみを増やしていきましょう!
ご精読ありがとうございました。