Amazon社が提供するクラウドサービス「AmazonWebServices(AWS)」はクラウド市場で世界のリーダーとして君臨しています。
しかし実際のところ、エンジニアの方でも案件に携らないと知らないのではないでしょうか。
今回はAWSの中でよく出てくるVPC、EC2をイラストで解説しながら、AWSはこのようなものという概念をつかんでいただけたらと思います。
今回はAWSについてイメージを掴むための記事です。この記事を読むとこんなことがわかります。
- AWSのEC2がなにかわかる
- AWSのVPCがなにかわかる
- AWSのクラウドサービスのイメージが掴める
AWSが初めての方でもわかるようにイラストで伝えていきたいと思います。
AWS(AmazonWebServices)とは

そもそもAWSとは「AmazonWebServices」の略で、Amazon社が提供するクラウドサービスのこと。
主に企業向けに提供する仮想的なシステムサービスです。
AWSと従来システムの違い
クラウド以前のシステムとの違いは、「顧客が物理的なシステムを管理しなくてよい、すべてインターネット上で完結する」こと。
今までのシステムは皆さんのご自宅のパソコンと同じで、物理的なハードウェアにアプリケーションやらデータを格納し、顧客企業も一緒に管理していました。

という世界です。
伝わりましたでしょうか?
「今まではマインクラフト的にすべて自分でつくらないといけませんでしたが、Amazonがここがあなたのチートマインクラフトです。素材はすぐ使えますが使った分だけ課金になります。」という感じでしょうか。
マインクラフトを知らない方は調べてみてください。スイッチでもできる面白いゲームです。
今までのシステム
物理的な設定(ハードウェア購入、LAN配線) | 顧客またはベンダー |
アプリケーションやOSの準備 | 顧客またはベンダー |
アプリケーション、インフラ設計、構築運用 | 顧客またはベンダー |
AWSのシステム
物理的な設定(ハードウェア購入、LAN配線) | Amazon |
アプリケーションやOSの準備 | Amazon |
アプリケーション、インフラ設計、構築運用 | 顧客またはベンダー |
資材は全部そろっていて、あとはAWSのガイドをマスターして構築していきます。
クラウド市場の成長率とAWSの覇権
クラウド市場は右肩あがりです。
国内の市場も上昇していますが、クラウド市場の覇権は中国以外Amazon社が握っています。
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アジア太平洋地域のパブリッククラウド市場に関する調査結果
AWSを理解しない手はないでしょう。AWSエンジニアはこれから益々求められる人材になると思います。
AWSのメリット
- AWSは使った分だけの課金制なので料金が安い
- AWSは設定がいままでより簡単なので、システム構築や管理に割り当てる人員を削減できる
なぜAWS特有の設定があるのに選ばれるのかというと一番は料金です。
物理的なサーバよりも圧倒的に料金の安さから選ばれることが多いです。
AWSのデメリット
- 自分たちで設定しない分、セキュリティ的な不安もある
- AWSが止まったら終わる。
- AWS独自の設定が多数ある
セキュリティな面は、実際になにか脆弱性があるわけではありませんが「何となく不安だな」という人間的感覚が高いと思われます。
またAWSが止まったら終わりなので、社会的に影響の大きい団体は、いきなりすべてをクラウドへは移行しない傾向にあります。
スモールスタートでWEBシステムはクラウド上で、重要データが含まれるDBサーバやアプリケーションサーバは物理で管理パターンが多いです。
用途
とはいえ「システムコストは一体どこまでかければいいんだ?」という企業側の疑念を晴らしてくれるので、料金の安さや拡張性から選ばれることは多いのが現状。
AWSのVPC(Virtual Private Cloud)とは?
AWSには「VPC」という概念があります。
VPCは「バーチャルプライベートクラウド(VirtualPrivateCloud)」の略です。
1つのアカウントでいくつもVPCが作成が可能です。
仮想上のプライベート空間なので、複数の企業が混在しているわけではありません。

そしてVPCの中にサーバ(EC2)を設置します。(後述します。)
AWSはVPCを作成するところからすべてが始まります。
VPCはAWSだけの概念ではありません。GoogleのクラウドサービスにもVPCは存在します。同意義なので覚えておきましょう。
VPCがないとサーバも設置できませんし、VPCが1つの大きなネットワークになります。
【VPCとは】
・1つのアカウントで作成できるプライべートなシステム空間のこと
・VPCの中にサーバ(EC2)を設置する
・VPCはAWSだけでなくGoogleも使う仮想プライベート空間の総称
AWSのEC2(Elastic Compute Cloud)とは?
AWSには「EC2」というのがあります。
こちらは「サーバー」のことです。
WEBサーバを作ろう → EC2を作成しよう
DBサーバを作ろう → EC2を作成しよう
となります。
こちらはAWS専門の概念ですね。

Elastic(エラスティック)=弾力性、しなやかなあ、という意味がありまして、柔軟なクラウド上のコンピュータのことを指します。
なぜエラスティックなのかというと、CPU使用率やストレージ容量、処理能力などをサービスの中で組み合わせを変更しやすいからです。
その分、使った分だけ課金される仕組みです。
すごいですねえ。AWSの考え方は。
すでに先ほどのイラストでも出てきておりますが、EC2はサーバのことでVPCの中に設定します。
VPCとEC2の関係性は、データセンターにサーバを置くイメージ
以上のようにVPCの中にEC2インスタンス(サーバ)をつくっていきます。
VPCの中にいくつものセグメントをつくることができます。
例えば、「セグメントAはインターネットから閲覧可能、セグメントBは外部からアクセス不可」といったコントロールができるわけです。
ここまでわかれば勘のいい方なら「あれ物理世界と考え方は同じや」ということがわかると思います。
AWS特有の専門用語や設定方法が違うだけでできることは同じなのです。
AWSのEC2やVPCをつくってみよう
さてここまで来たらVPCとEC2を実際につくってみるといいでしょう。
やっぱり構築は手を動かさないとイメージを理解しにくい部分もあります。
おすすめはUdemyのAWS講座『ゼロから実践するAmazon Web Services。手を動かしながらインフラの基礎を習得AWS講座』ですね。

こちらでAWSの基本的な概念はすべて学べます。
講師の方のしゃべり方に特徴はありますが、ネットワーク設計から丁寧に教えてくれるので、IT初心者の方でも幅広い知識を習得できると思います。
僕もAWSエンジニアではありませんが、こちらの動画で理解することができました。
AWSのEC2やVPCとは何か:まとめ
ここまでAWSについてお伝えしてきましたがまとめます。
- AWSは「Amazonが提供するクラウド上のITサービス」
- VPCは「仮想プライベート空間で1つのネットワーク、データセンターのようなもの」
- EC2は「1つの柔軟なサーバのこと」
AWSは今後もシェアが確実に伸びていくITトレンドです。
AWSを利用しはじめた顧客は戻れなくなるでしょうし、それに合わせてAWSエンジニアが増加することは間違いありません。
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